露分け


ベルヌーイ分布

2025-12-21

結果が成功失敗のような二通りしかない試行を一回行うことをベルヌーイ分布と言う。この結果をそれぞれ$s_{2}$を成功とし、$s_{1}$を失敗とする確率変数として$s_{1}=0,\ s_{2}=1$と置く。この確率質量関数$s=s_{1},\ s_{2}$を代入すると対応する値を出す確率関数として \begin{align} f(s)= \begin{cases} f(s_{1})&\text{失敗}\\ f(s_{2})&\text{成功} \end{cases}\notag \end{align} と置く。この二式を纏めるため \[ f(s)=f(s_{1})^{x_{1}}f(s_{2})^{x_{2}} \] とする。この$x_{1},\ x_{2}$は$s=s_{1}$のとき$(x_{1},\ x_{2})=(1,0)$となれば指数の性質から \[ f(s_{1})=f(s_{1})^{1} f(s_{2})^{0} \] となり式が成り立つ。このような$x_{1},\ x_{2}$として$x_{1}=1-s,\ x_{2}=s$が挙げられる。つまり \[ f(s)=f(s_{1})^{1-s} f(s_{2})^{s} \] である。この確率質量関数は成功と失敗との二種類しかないため、確率質量関数の総和は一であるという公理より \[ \sum_{k=1}^{2} f(s_{k})=f(s_{1})+f(s_{2})=1 \] を要請する。成功する確率質量関数$f(s_{2})$を$p$とすると、上の公理から \[ f(s_{1})=1-f(s_{2})=1-p \] となる。この$1-p$を$q$とも書くことにする。以上より確率質量関数を \[ f(s):=f(s_{1})^{1-s}f(s_{2})^{s}=q^{1-s}p^{s} \] とする。

期待値は確率質量関数の総和の計算から \begin{align} \mathrm{E}[S] &=\sum_{k=1}^{2} s_{k}f(s_{k}) \notag\\ &=s_{1}f(s_{1})+s_{2}f(s_{2}) \notag\\ &=0q+1p \notag\\ &=p\notag \end{align} となる。分散は \begin{align} \mathrm{Var}[S] &=\sum_{k=1}^{2}\left(s_{k}-\mathrm{E}[S]\right)^{2}f(s_{k}) \notag\\ &=(0-p)^{2}q+(1-p)^{2}p \notag\\ &=p(1-p)\notag \end{align} である。

確率母関数 \[ G(t)=\mathrm{E}[t^{S}]=\sum_{k=1}^{2} t^{s_{k}} f(s_{k})=q+pt \] を使っても期待値、分散を計算できる。期待値の場合は確率母関数の一階微分 \[ \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t} G(t)=E\left[ S t^{S-1} \right]=p \] に$t=1$を代入すると \[ \left. \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t} G(t) \right|_{t=1}=\mathrm{E}[S]=p \] を得る。分散については確率母関数の二階微分 \[ \frac{\mathrm{d}^{2}}{\mathrm{d}t^{2} } G(t) =E\left[S(S-1) t^{S-2}\right]=0 \] より \[ \left. \frac{\mathrm{d}^{2} }{\mathrm{d}t^{2} } G(t) \right|_{t=1} =\mathrm{E}[S(S-1)]=0 \] となることから \[ \mathrm{Var}[S]=\mathrm{E}[S(S-1)]+\mathrm{E}[S]-\left( \mathrm{E}[S] \right)^{2}=0+p-p^{2}=p(1-p) \] を得る。

二つの確率変数が独立にベルヌーイ分布に従うものとし和をとる。二つの確率変数はベルヌーイ分布に従うため範囲は$x=0,1,\ y=0,1$であり、この和を$z=x+y$とすると取りうる値は$z=0,1,2$である。$z=0$となるのは$(x,y)=(0,0)$の一組のみであるが、$z=1$となるのは$(x,y)=(1,0),(0,1)$の二組である。また$z=2$となるのは$(x,y)=(1,1)$の一組だけである。$P(Z=z)=f(x)f(y)$に$z$の値に対応する$x,y$の組を代入すると \begin{align} & P(Z=0)=f(0)f(0)=q^{2} \notag\\ & P(Z=1)=f(1)f(0)+f(0)f(1)=2pq\notag\\ & P(Z=2)=f(1)f(1)=p^{2} \notag \end{align} となる。この結果は \[ P(Z=z)=\binom{2}{z}p^{z}q^{2-z} \] と纏めることができる。これは次節の二項分布の確率質量関数 \[ f(s)=\binom{n}{s}p^{s} q^{n-s} \] で$n=2$としたときである。詳しくは再生性に記した。